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  • AUTHOR: 輪月
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SSプレ公開 第二弾「その名は、闇の福音」
第一弾はこちら


というわけで、第一弾ののどさよに続いて第二弾!
今回はエヴァンジェリンです。闇の福音です。
第一弾に比べると、シリアスの度合いが高い作品となっております。
これもプレ公開なので、修正が入るとは思いますがね。

このシリーズは、現在執筆中の「夢想」と同時期に思いついた作品です。
なので、いずれは書きたいと思ってました。
結構文字が詰まってるので、ご注意を。

何はともかく、いってみましょう。
続きからどうぞー。



 陽光がほとんど届かない、木々が密集した鬱蒼とした森があった。
 土着の人間からは、魔物や魔女の類が住んでいると言われている、いわくつきの森だ。
 後の世では中世と呼ばれるこの時代では、往々にして【森】という存在はこのようなイメージが抱かれている。薄暗い不気味な森の中で、フクロウか何かが鳴こうものなら、それだけのことで人には心理的な恐怖が刻まれる。
 オカルトが信奉、もしくは畏怖されているようなこの時代ならば、それは尚の事だろう。
 もっとも、欧世界は森が大半を占めている。例え迂回したくても、森を抜けなければならないのは多々あることだ。

 そんな理由からかは計り知れないが、今まさに、先述した鬱蒼とした森を歩いている、小柄な人影があった。
「……流石に傷の回復が早いな」
 ポツリと呟きがなら、少女は歩く。見かけは10歳そこそこといったところだろう。膝ほどまであるとても長い金髪を揺らし、疲れてウンザリとした様子を纏っていた。
 その傍らには、小さな人形が自動で歩いていた。高さは20cmほどで、緑の髪を持ち、口を半開きにした無表情というデザインの顔だった。
 そ知らぬ人が見ても、その動力が魔力であるなど知られるはずもない。
「ゴ主人、ソロソロ森ヲ抜ケルゼ」
「分かっている。もう、あの国には戻れないな」
 足元から語りかけてきた人形に、一瞥もくれずに言い返し、彼女は先ほどの出来事を心中で反芻する。

 さる大国の国境。郊外も良いところというそんな場所で、彼女は追われていた。
 追われる理由は簡単だ。彼女が『吸血鬼』という異形の存在であり、数多の人間の血でその手を染めた。それだけのこと。
 追う側というのは、先述したさる大国の軍団である。たかが一人の少女に十数人単位で編成された部隊が真っ向から殺到し、そして大した攻撃も加えない内に、その全てが返り討ちにあった。もしこれが秘密裏に動いた部隊でなければ、近隣諸国の笑い者となるところだろう。

 唯一、油断した瞬間に偶然当たった矢による傷を気にしながら、不死の少女は歩き続ける。
「全く……人間という奴は。吸血鬼になってみて、その本性がまじまじと分かるというものだ」
 心に憎悪の炎をたぎらせながら、少女は歩く。もっとも、どこへ向かっているかは本人も分かっていない。どうせ、この世界に自分の居場所は無い――彼女自身が最もよく理解していることだ。
「茶々ゼロ、これからもしばらくの間は安住など無いだろう。精々覚悟しておけよ」
「分カリキッタコトダゼ、ゴ主人」

 唯一の供を伴い、少女は歩く。その先に何があるのかなど、知れたことではない。
 とりあえず、これ以上人を殺すのは面倒だから、静かな場所に落ち着きたい。それが彼女の、当面の方針だった。とても悲しい事だった。


 ――しかし彼女の心を揺り動かせる人間が、一人も存在しないわけではなかったのかもしれない。


「!!」
 彼女は吸血鬼の鋭い聴覚で、近くに何か動く気配があることを悟った。大方、獣の類だろうが、襲ってくるとなれば面倒だ。
 ところが、どうやらそれは獣ではないらしい。森の中に長く暮らしているとは思えない、不慣れな動きは、葉が擦れる音から分かる。板金を繋げた鎧がカチャカチャと響くような音も聞こえる。そして――長く走ってきた人間を思わせる、乱れた呼吸音も耳に入った。
「まさか私を追って国境を越えてきたのか? ご苦労なことだ」
 彼女は自嘲気味に笑うと、その身に魔力を集中させる。
 徐々に音が大きくなり、何かが近づいて来ている事が分かる。そして、一人の人間が木々を越えて飛び込んできた。
「うわぁっ!」
「……ん?」
 少女は不思議がった。目の前に現れたのは、20歳ほどと思しき、短い金髪の若い兵士だ。
 しかし膝が笑ってしまっているし、鎧の上に纏った軍衣はボロボロだった。辛うじて見て取れる紋章からは、先述した国の兵士であることが分かる。
「よ、良かった……見つけたよ、吸血鬼さん」
「……は?」
 いきなり笑顔を浮かべながら親しげに声をかけてくる男。とても、今から自分を殺そうとする人間とは思えなかった。
 よく見れば、武装は剣どころか斧や棍棒(メイス)すら持っていない。
「何だ貴様は……。わざわざ私に殺されにきたのか」
「と、とんでもない! むしろ僕は、君の力になりたくて来たんだ」
 ますます訳が分からない――彼女は即座にそう思った。油断はならないが、あまりに日和った風な男の態度から、警戒レベルが急激に下がる。
「ひとまず、話を聞いてほしい。そうすれば、分かってもらえると思うからさ」
「……」
 彼女が吸血鬼になってから抱き始めた人間のイメージとは、男は大きくかけ離れていた。殺伐とした、裏では相手をどう思っているかも分からないような、暗く醜い雰囲気が、微塵も感じられなかった。
 一言で表すならば、『お人好し』――そんな言葉がピタリとくる。
 あまりに唐突な出会いだったからだろうか。彼女は、あえて男に背を向けた。
 そして、背中越しに声を放つ。
「……まあ、話しくらいなら聞いてやる」
「エッ!?」
 少女をよく知る人物ならば、耳を疑わずにはいられない一言。事実、足元の操り人形は、表情こそ変わらないが、明らかにギョッとしている様子だった。
「うん、そうこうないとな。ひとまず、どこか落ち着いて話の出来るところに行きたいな」
 恐れる様子も無く話す男を後ろ目にチラリと見やり、彼女はため息をついた。果たしてこの男は、どこまで本気なのか。それが分からずとも、とりあえず油断は出来ない。

 そしてまた、呟くように言う。
「それと、貴様」
「え?」
 ぶっきらぼうに、愛想の欠片も無く、吐き捨てるように、唯一つの事実を、告げる。


「――私の名はエヴァンジェリンだ。吸血鬼さん、ではない」



 奇妙な青年との出会いは、吸血鬼となったばかりの彼女に何をもたらすのか。

 それは、今は神のみが知ることであろうか。





第一弾と終わりが似てるのは仕様です。
2006.12.30(Sat)  日記コメント(0)トラックバック(2)TOP
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12/30更新 生放送ほっちゃんキタ〜〜〜
今天的アニスパ!可是ほっちゃん特集喔~~~ほっちゃんかわいいよ〜〜〜〜〜赤松作品相關情報1. 涅
NikandoのACG日誌 2006.12.31(Sun) 01:24
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くろうのだらオタ日記さん2006年ねぎま7大&4凶ニュース 商品価格がかなり高かったですよね^^;Electrical appliance shop - Volt -さん【FIGUMATE】フィギュメイト改造総まとめ Ver.2これは凄いですね!
ネギズ 2006.12.31(Sun) 12:25


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